まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「――アキにいさままで!」

 ゼファルスの普段は取らない行動に首をかしげていたら、アクィラまで続いて飛び降りてしまった。

「ぼくも!」

 兄達のあとを追おうと窓枠によじ登ったところで、がしっと両脇から抱えられて引き戻される。

「テティはだめよ。ちゃんとお行儀良くしなくちゃ。私達と一緒に行きましょう」
「真似しちゃダメ」

 ユスティナとヘスティアに諭され、テティウスは唇を尖らせる。
 とはいえ、姉達の言っていることが正しいのは理解できたので、おとなしく窓枠から降りた。

「ねえさま、ねえさま、おしえてください。なぜ、ぼくはりょうてをとられているのでしょう?」
「逃げないように」
「そうそう。ナビ子さんがいるのをいいことに、すぐに勝手な行動をとるものね」

 そんなことはしないのに。
 どうやら、姉達のテティウスに対する信頼度は限りなくゼロ。ここから巻き返していくのは難しいようだ。
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