まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 姉達に連れられて外に出たら、もう皆行ってしまったあとだった。一人だけ残されていたのは、見習い騎士。
 急いで迷宮に向かった騎士達が残していった稽古用の剣や防具などを片づけているようだ。

「ねえ」
「はい、あ、殿下っ!」

 テティウスが声をかけたら、見習い騎士は直立不動の姿勢になった。テティウスの両側を姉二人がしっかり固めているというのもあるのだろう。
 見習い騎士ならば、普通間近に接することのない王族が目の前に三人もいるのだ。固まってしまう気持ちもわかる。

「騎士達、どこに行った?」
「ゼフ兄様とアクィラ兄様もよ。騎士達総出で出て行ったということは、何かあるのでしょう?」
「……迷宮で、問題が発生したそうです。殿下。詳しいことはわかりません」
「迷宮で?」

 声をあげた双子は顔を見合わせた。テティウスを拘束していた腕が緩む。

「くすり、いる?」
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