まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 そして、ついた迷宮の最深部。そこは、大きな広間だった。
 今まで通ってきた道とは違い、床も壁も、磨かれた石でできている。白く輝くその石は、どこか荘厳に見えて、神に祈りを捧げるための部屋と言われても納得してしまいそうだった。
 そして、その部屋の中央にあったのは、台座の上に置かれた巨大な丸い玉であった。直径がテティウスの身長の倍ほどもありそうなその玉は、赤く輝きながらくるくると回っている。

「なんだろ、これ……」

 ナビーシャの背中から滑り降りたテティウスは、その玉に手を伸ばした。
 妙に心惹かれる玉だ。
 手を伸ばすと、それは嫌がるように左右に揺れた。だが、台座からは離れることができないらしい。揺れるだけで、遠くに逃げることはなかった。

「ナビ子しゃん、これがかく?」
「ええ、そうよ。これが、迷宮を制御しているの」

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