まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「父上、テティが苦しそうです。下ろしてください」
「……あぁ」

 ゼファルスに言われた父は、ようやくテティウスを地面に下ろしてくれる。地面に膝をつき、目を合わせたゼファルスは、テティウスと真正面から目を合わせてきた。

「テティ、君がすごい力を持っているのは知っているけど、今回はちょっとよくなかったかな?」
「ごめんなしゃい、ゼフにいさま」

 もう一度、謝る。自分が悪いのは、ちゃんとわかっている。
 この世界では好きなことしかしなくていい。そうアスタナと約束しているけれど、それを他の人達は知らないのだから。

「で、迷宮はどうだった? テティならどうにかしたんだろ?」
「あい、アキにいさま。迷宮はほぼかつどーていし」
「ほぼ活動停止?」

 テティウスの説明だけはピンとこなかったみたいだ。兄二人は、顔を見合わせた。
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