まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「あなたならできると思っていたけれど」
「あい。できた」

 流星の追跡者、レナータとネレアが声をかけてくる。照れたテティウスが頬をかくと、セリオンがテティウスを抱き上げた。

「殿下がやったぞ! 犠牲者ゼロだ!」

 周囲がどっと沸いた。ようやく、迷宮が活動をとめたというのを理解したらしい。

「テティウス王子、万歳!」

 その声が、あちこちに広がっていき――ついには、あたりを騒がせるような大歓声となった。

「ねえ、ナビ子しゃん」
「何?」
「ぼく、このせかいにうまれてよかった」
「そうね、アタシも同じことを思っていたわ」

 この身体は小さくて、まだ、ままならないことも多いけれど――でも。
 最高に幸せなこの生活を、守りたいとテティウスは心から思った。
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