まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「魔力の制御だけでいいのか?」
「はい。魔力の制御はすべての基本でございます。基礎理論はもう少し大きくなってからでよろしいでしょう」
「ぼくよんさいだよ? きしょりろんもだいじょうぶだよ?」

 幼く見えるかもしれないが、まもなく五歳の誕生日である。勉強を始めてもいいのではないだろうか。

「まだ早いですな。もう少しお待ちくださいませ」
「むぅ……」
「テティ、そこは専門家の言う通りにしておこう」

 父に言われて、しぶしぶうなずく。近いうちに、こっそり試してみようと思いながら。

 あれから、三日。兄達が勉強をしている部屋で、テティウスは絵本を読んでいた。
 魔術の基本についてわかりやすく書かれた絵本だ。もう少し、難しいものでも読めるのだが渡してもらえなかった。

「見ただけで魔術ができるって羨ましいなあ」

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