まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 今の時代には、そんな能力を持つ者はいないけれど、昔はドラゴンをテイムできた人もいたそうだ。ドラゴンの背にまたがった彼は無敵。竜騎士の名で呼ばれたというのは、おとぎ話の本に書かれていたこと。
 テイムも魔術の一種だというのは、先日の授業で聞いた。テティウスの能力でテイムの魔術を解析することができたら、そのうちテイムもできるかもしれない。
 なんて考えながら、冗談半分で口にしてみた。

「おいで、ぼくとけいやくする?」

『するわ!』

 冗談半分だったのに、頭の中に声が響いてきた。
『契約してあげる。私の名前は、ナビーシャ・ビビエッタ・コレリー。よくて?』

「う、うん……?」

 なんでだろう。テティウスの知っているテイムとは明らかに違う。
 いきなり自分から押しかけてきた翼猫は、みずから名前を名乗った。

(……ん?)

 そこで始めて気が付いた。
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