まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 テティウスの舌では、「ナビシャ・ビビエッタ・コエリー」になってしまうことも多々あるため、「ナビ子」さんと呼ぶことにしたのだ。
 人生の道案内をしてくれるらしいし、ちょうどいいと思ったのだがナビーシャは気に入らないらしい。

「アタシ、ナビーシャ・ビビエッタ・コレリー。テティウスにテイムされた翼猫――っていうことにしておいてくれる?」
「アクィラ、剣を下ろせ。ゼファルス、双子を元の位置に戻してやれ――それで、ナビーシャとやら。『しておく』と言うのはどういう意味だ?」

 父は、言葉が通じるのであれば話を聞こうと思ったらしい。
 母も、ナビーシャをすぐに追い払うつもりはないようだった。魔物相手でもきちんと対応するあたり、肝が据わっていると言えばいいのだろうか。

「テティウスが普通ではないのは、アンタ達も薄々気づいてるでしょ」

 ナビーシャの言葉に、家族がうんうんとうなずく。
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