まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 家族も、ナビーシャの説明で納得してくれたらしい。そろっと兄が手を上げた。

「以前、同じ名前の魔術師が来たことがあったのですが……」
「ああ、あれ? あれはアタシ。いつも変身できるわけじゃなくて、あの時は、神様のお力を借りたのだけど。契約する前に、近くでテティを見てみたいと思ったのよ」

 以前、テティウスの魔力について教えてくれた旅の魔術師は、姿を変えたナビーシャだった。

(サービス満点すぎじゃないか、神様……)

『それだけアンタに申し訳ないって思ってるということよ』

(だから、心の声に突っ込むのはやめて)

 ナビーシャがこちらを見て、尾をゆらゆらと揺らす。

「それでは、神獣様……」
「あ、そういうのいいから。ナビーシャと呼んで。今のアタシは、テティウスの契約獣ですからね」
「……ねえ、ナビ子しゃん」
「ちょっと、その呼び方やめてって言ってるでしょ!」
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