まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「ナビ……ナビシャ・ビッタ・コエリー」
「言えてないし!」

(舌が回らないんだからしかたないだろ! あの時言えたのが奇跡だよ!)

 ナビーシャ・ビビエッタ・コレリーなんて、どこから引っ張ってきた名前なのだろう。
 聞いてもいいのだろうかと思いつつ聞くのはやめた。ナビーシャも心の声に突っ込んでこないから、言うつもりはないのだろう。

「……では、ナビーシャ、君の役目はテティウスの守りということでいいのか?」
「子守も任せてくれていいわよ?」

(子守なんかいらないし!)

『おだまりなさい!』

 父の前では、穏やかな声音なのに、なんで心の声はこんなに強いのか。
 というか、そもそもナビーシャにおだまりなんて言われなければならないいわれは、テティウスの方にはないと思うのだが。

「なあなあ、ナビ子さん」
「ナビ子さんじゃないのに……!」

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