まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 アクィラにまでナビ子さん呼ばわりされて、ナビーシャは尾をくるりと巻いて伏せてしまった。背中の翼もしゅんと垂れさがっている。

「撫でてもいい?」
「……好きにすれば?」

 テティウスの膝の上で完璧にすねている。アクィラは、さっとナビーシャを自分の膝の上に移動させた。

「うわ、すごいふわっふわのつやっつや……」
「そうでしょうそうでしょう。きちんとお手入れしているもの」

 どちらかと言えば荒っぽい言動が多いのに、アクィラのナビーシャを撫でる手はとても優しかった。なめらかな背中を撫で、耳の後ろをかき、そして喉元をくすぐる。
 グルグル……という音が、喉から鳴り始めた。ナビーシャは目を閉じて、うっとりとアクィラに身をゆだねている。それからはっとしたように目を開いた。

「……いけない、アタシはテティウスのお守り……こんなところで普通の猫みたいに喉を鳴らしている場合じゃ……ぐっ……」

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