まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 アクィラの手は休むことを知らず、喉をくすぐり続ける。いったん離れようとしたナビーシャだったけれど、アクィラの手にはかなわないみたいだった。
 しまいには、アクィラの膝の上で仰向けになって腹を見せてしまう。そこにもまたアクィラの手が伸びた。

「可愛い……!」
「アクィラ兄様、私も撫でたい。きっと、ヘスも撫でたいと思うの」

 双子はうっとりとその様子を見守り、満足するまで撫でたアクィラと交代して再び撫で始める。両親もその様子を微(ほほ)笑(え)ましそうに見ているが、ゼファルスだけはまだ心配なようだ。

「……本当に、危険じゃないのかな?」
「だいじょーぶ。ナビ子しゃん、いいまもの」
「翼猫なら、たいした力はないんだけどな……」

 こうして、新たな仲間として神獣のナビーシャ・ビビエッタ・コレリー――通称ナビ子さん――が、シルヴァリウス家に加わったのだった。

 * * *



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