まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 双子で協力し合って、侍女達――錬金術の心得がある者と魔道具師として活動していた者の二人――の協力も得ながら課題をこなしているそうだ。

「ユスねえさま、ヘスねえさま!」
「どうしたの?」

 二人は同じ部屋を使っているから、テティウスはまっすぐにそこに向かった。
 二人とも床の敷物の上で、大きなクッションに寄りかかりながら、それぞれ本を読んでいるところだった。そして、この部屋も暑い。

「まどーぐがほしい、ですっ」

 テティウスの発言に、二人とも目をきらりとさせた。可愛い末っ子の願いである。
 どちらもずいずいと身を乗り出し、話を持ってきたテティウスの方が、一瞬引いてしまうほどの勢いだった。

「何が欲しいの?」

 ヘスティアが最初に口を開く。

「ずるいわヘス、私だってテティと話をしたいのに」

 と、ユスティナは唇を尖らせる。

「あのね、こおりをけずりたい!」

< 67 / 347 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop