まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 いきなりの発言に、二人とも首をかしげてしまった。
 テティウスはゆっくりと言葉を選びながら話をする。舌は回っていないが、ゆっくりならば大丈夫。

「つまり、ふわふわに削った氷が欲しいと」
「氷の魔石で氷を出して、それを削る……のかしら?」

 まだ、ナビーシャに頼んだ設計図は出さない。姉達がどんな風に考えるかを見ておきたいのだ。

「氷の魔石は私が作る。ユスは氷を削る部分を考えて」
「わかった!」

 こうなると二人は自分達の作業に没頭し始める。
 魔石を探しに行くヘスティアに、うんうん唸りながら紙に設計前のメモを描き始めるユスティナ。

「ねえさま、よろしくおねがいしましゅ」

 まかせて、とユスティナはこちらにひらひらと手だけ振る。もう、テティウスのことはすっかり頭から追い払ってしまったみたいだった。

「それなら、ここに設計図のヒントを置いておくわね? 紙を一枚もらうわよ」

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