まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ゼファルスの言うフラッペは、かき氷ではなく細かく砕いた氷にシロップをかけたものだ。一緒にアイスクリームが盛り付けられることもある。

「溶けるわ!」
「本当、すぐに溶けてしまうわ! 氷をもう少し厚くしたらいいのかしら」

 ヘスティアは柔らかな食感に感動し、ユスティナは考え込み始めた。もしかしたら、口の中で溶けるふわふわかき氷より、口内で冷たい感触を楽しみたいのかもしれない。

「うまーい、とまらな……いたあああああっ!」

 とまらずにかき氷をがつがつ食べていたアクィラが、こめかみに手をやった。キーンという痛みが走ったのだろう。

「アキにいさま、いっきにたべるからそうなる」
「だって、止まらなかった……おおおおおぅっ!」

 小さなスプーンで少しずつ食べていたテティウスは、アクィラにしらっとした目を向けた。育ち盛りだから仕方ないかもしれないが、一気にがっつきすぎである。

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