まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「ナビ子さん、甘いの食べて大丈夫なの?」
「だから、その呼び方はやめてって……」

 テティウスがナビ子さんと呼ぶから、兄妹の間ではすっかりそれが定着してしまった。ナビーシャは本名で呼ばれたいらしいけれど、やっぱり長すぎると思うのだ。

「うん、おいしかった。ヘス、ユス、素敵なおやつをありがとう」

 最初にかき氷を食べ終えたのは、ゼファルスだった。アクィラは一気に食べ過ぎて、休憩を挟んでいたため、また食べている途中。
 食べては頭をキーンとさせて痛い痛いと言っていたので、進みが遅いのである。
 にっこりと微笑んで、ヘスティアとユスティナにお礼を言うゼファルスは、まさしく王子様。この品格は、一日二日で身につくものではない。

(俺もいつかはああなれるかな)

『精進しなさいな』

 ぺろぺろと皿に残ったシロップを舐めているから、ナビーシャもかき氷は気に入ってくれたみたいだ。

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