まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「で、俺をここに呼んだわけは? まさか、俺の事故って神様のミス?」
「うわああああああっ!」

 何気ない優人の言葉に、神様は両手で頭を抱えてしまった。こちらの話を聞いてくれる余裕はなさそうだ。

「違うんです違うんです、あの事故は私のミスじゃないんですぅぅ、いや私のミスなんですけどぉぉぉ!」
「……ちょっと落ち着こうか」

 そっと背中を撫(な)でてなだめてみる。神様相手に不敬かなとは一瞬思ったが、深く考える必要はなさそうだ。
 背中を撫でていたら、アスタナも落ち着きを取り戻してきた。優人の前に正座した彼女は、両手の人差し指をもじもじと擦り合わせた。

「ええと、あの事故っていうか……あなたの人生そのものが設定ミスなんですうぅぅぅ――!」
「……は?」

 どうしよう、全人生を否定されてしまった。
 一番話しにくいことを口にしたからか、相手は落ち着きを取り戻したようだった。

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