まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「え、あの人のところに行きたい?」

 黒猫は、アスタナの言葉にうなずいた。優人のところに行きたいらしい。

「恩返しって……そうね、恩返しは大事よねっ!」

 黒猫が巻き込まれてしまったのは、アスタナのせいではあるけれど。
 優人への恩返しをしたいという理由をつけるのであれば、黒猫も転生させてしまう理由付けにはなる。

「そうね、あなたがどうしても恩返しがしたいって言うんだものね! それならしかたないわ。そうしましょうそうしましょう……え?」

 黒猫から伝わってくるのは、優人の役に立ちたいという思い。

「うーん、できなくはないんだけど」

 今、優人を転生させたばかりである。すぐに黒猫にあとを追わせるわけにもいかない。

「そうね、もうちょっと待って……ええ、ちょっとでいいから」
「みぃ」
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