まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「あのですね、人間には幸運と不運が一定の基準で割り振られるものなんですよ。人によって多少多い少ないはありますけど」
「うん」
「それで、ですね……優人さんの場合、家族の分の不幸まで優人さんに降りかかるように設定されていたみたいでですね……」
「なんてこったい! 道理で!」

 家族の中で自分だけ不運な目に遭(あ)うことが多いなとは思っていたのだ。
 どうにもこうにも運が悪いと思っていたが、家族の分の不幸まで背負わされていたとなると納得はできる。
 ちなみに、優人の家族は両親と弟ひとりに妹ふたりなので、自分の分のほか五人分の不幸を背負わされていたということになる。

「でもまあ、家族の分まで不幸を俺が背負えたのならよかったのかな? ところで、俺が死んだら、今まで俺が引き受けていた分の不幸が家族に行ったりする?」
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