まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「うわあ、ナビ子しゃんしゅごいねぇ!」
「まーね、神獣だからこのぐらいはねっ!」

 普段は子猫とたいして変わらない大きさなのに、今のナビーシャはかなり大きくなっていた。軽自動車ぐらいの大きさがあるのではないだろうか。
 つやつやとした毛並み。翼も、身体の二倍ほどに大きくなり、力強く羽ばたいている。
 テティウスを乗せていても、びくともしない。

「なんでおちてる……?」

 明かりはなく、周囲は真っ暗だ。ナビーシャが力強く翼をはためかせる音だけが響く。

「魔術的な現象が起こったわね……あっと下が見えてきたわ」

 ナビーシャは、暗闇の中でも目が見えているらしい。ばさりと翼をはためかせ、地面に下りる。身体を低くしてくれたので、簡単に降りることができた。それから、周囲をぐるぐると見回す。
 見回してみれば、ここは洞窟のようだった。
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