まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 この世界の空気には魔素と呼ばれる物質が含まれている。生きるものはすべて多かれ少なかれその魔素を体内に取り込み、魔力としている。
 迷宮はその魔素からできているというのが通説なのだけれど、魔素ではなく魔力を必要とすることがあるそうだ。
 たとえば、急激に大きく成長する時など。そういった時には、純粋な魔力が必要になるらしく、人がいる場所に繋がり、魔力を取り込むことがあるのだそうだ。

「テティとアタシを取り込んだところで、十分な魔力を確保できたのかもしれないわね……」

 テティウスは、まだ魔術の勉強はしていないが、体内に持つ魔力はかなりの量だ。神獣であるナビーシャは言わずもがな。

「とりあえず、いつまでもここにいるわけにもいかないわね。迷宮の入口を目指しましょう」
「まものがいっぱいでぼくだいじょうぶ?」

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