完璧御曹司の溺愛



「悠斗は、私だけのもの?」


「もちろん。俺は、理央だけのものだよ」


 理央は甘えるように悠斗の広い背中に手を伸ばした。

 悠斗のシャツをギュッと掴む。

 悠斗の匂いを、胸いっぱいに吸い込む。


「俺が、抱きしめたりキスをしたいって思うのは理央だけだよ。これからも沢山甘やかしてあげるから、覚悟して?」


「私、そんなに甘やかされたら駄目人間になっちゃいそう…」


「それもいいかもね。理央となら堕ちるところまで堕ちたっていいよ…」


「悠斗…」


「言ってくれたでしょ?地獄だって一緒にいたいって…」


 悠斗が、頬に触れてくる。

 そのまま長い指が、なぞるよう理央の唇に触れてきた。

 その官能的な指の動きに、唇から身体中に痺れが広がっていく……。


「だったら理央も、道連れだよ?」


 唇を優しく割いて、悠斗の指が進入してきた。

 歯列を軽くなぞられているうちに、理央は悠斗の綺麗な指を舌先で舐めてしまう。

 
 自分が何を待ち望んでいるのか、頭で考えなくても身体で感じた。


「悠斗…」


「ねぇ、理央は何を待ってるの?」


「っ……焦らさないで…?」


「…言わなきゃ伝わらないよ?」


「……っ…」


「俺に、どうして欲しいのか教えて?」


 悠斗は全て理解して、こんな意地悪な事を言う。

 恥ずかしすぎて、おかしくなりそう。


 けれど今日は、いつもに増して、悠斗を求めてしまう自分がいる。

 羞恥よりも、積極的に悠斗を求める本能の方が、簡単に勝ってしまう。



「………悠斗…キスを…して?」


 潤んだ瞳で、ねだるように見上げれば、悠斗は嬉しそうに目を細めた。


「ちゃんと言えたね…、理央」


 そして悠斗は、理央の欲しい物を与えた。

 待ち望んでいた、チュッと唇が重なり合う音。

 その音を耳にしただけで、嬉しくて泣きそうになった。


「…ん……」


 ただ触れ合うだけのキスじゃ物足りなくて、自分から唇を開いていた。


「理央、かわいいな…」


 そして悠斗はそれに応えるように、理央の開かれた唇の隙間から、更に口づけを深めていった。




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