完璧御曹司の溺愛


「あ、あの時は、ただ悠斗にゆっくり休んで欲しかったの。別に、不安でも嫌だったわけでもなくって…!」


 すると、悠斗は突然、理央の唇にキスをした。

 チュッと繋がって離れるだけの軽いキス。


「俺がベッドの上で、突然こういう事をしても嫌じゃないの?」


「悠斗…」


 再び、悠斗が唇を重ねる。

 唇をチュッと吸われて、それからすぐに深いものに変わる。


「んっ………」


 久しぶりの悠斗の熱い口づけ。

 互いの唾液がクチュリと混ざり合い、口の中で甘く、一つに溶けていく。


「…んん…、ふっ……」


 少し乱暴に歯列をなぞられて、舌を吸われた。

 熱い、目の奥がチカチカする、頭の中が真っ白になる。


 無理矢理、口腔内を侵されるその感覚に、理央の身体は嬉しさで疼いた。


「は…ぁっ……」


 悠斗が唇を離すと、うまく息を吸えずにいた理央は、空気を求めながら、悠斗の名を呼んだ。
 

「…っ、ゆう…と…」


 同時に、理央の舌に不思議な甘さが残る。


 悠斗はベッドの上で、頬を染めながら呼吸を乱す理央を、ジッと見おろしていた。

 ランプの灯りに照らされた、悠斗の端正な顔立ち。

 指の先で、人形のように白く美しいその肌に、そっと触れる。


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