完璧御曹司の溺愛



「悠斗になら、何をされたっていい…。我慢なんかしなくていい。全部奪ってくれていいから」


「……理央」


「私を、悠斗の好きにして…?」


 悠斗の想いのぶんだけ、悠斗に求められたい。

 それが、私の幸せだから…。


「…っ」


 ついに理性の糸が切れたように、悠斗は理央の首筋に唇を這わせた。

 理央の指に指を絡めながら、吸い付くようなキスを落としていく。


「あ…」


 肌と肌が触れ合うだけのキスとは違う。

 理央を求めてやまないような、乱暴なのに甘い、官能的なキスの嵐に、身体の奥が震える。


「……んっ……ん……」


 意識なんてしなくても、悠斗の滑らかな舌の動きに応えるように、理央から甘い声が次から次へと漏れ出た。

 ウズウズと湧き上がる、痺れるような心地。

 この快感は悠斗が与えてくれてるのだと思うと、余計に声が止まらなくなる……。


「ふっ……ぅ……んっ…」


 それが恥ずかしくて、口元を必死に手で押さえた。


「理央、隠さないで?理央の可愛い声が聞こえない」


「ゆ、悠斗っ…だって…」


「駄目だよ?理央を好きにしてもいいんでしょ?」


 理央の首筋から顔を上げ、熱っぽい声で笑う悠斗。


「あんなふうに言われて、我慢出来る男がいると思う?俺を本気にさせた責任をとって?」


 意地悪な発言なのに、表情はいつもよりももっと優しく、穏やかだからズルい…。


「だめ、私…悠斗みたいな余裕、ないもん…」


「俺も同じだよ?理央を抱くのに余裕なんて一つもない…」
 

「悠斗…」


「勢いに任せて、理央を傷つけるような事はしたくなくて、必死に堪えてる」


 そして、理央の吐く息を全てさらっていくような口づけをする。

 理央の家でしたキスや美術室でのキスとも違う。

 理央の全てを食べ尽くすような、そんなキスだった。


「…んっ……」


「…っ、理央、かわいい…」


 悠斗は余裕をなくしたような声で囁くと、また深く理央に口づける。


 心も身体も全てが悠斗で満たされていく。

 咲ちゃんの言った通りだった。

 悠斗はちゃんと、私を求めてくれた。


 嬉しくて嬉しくて、堪らない。


「ねぇ、理央?理央のこんなに可愛い姿、俺以外の誰にも見せちゃ駄目だよ?」



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