完璧御曹司の溺愛


「見せないよ?誰にも……」


「俺だけって約束してくれる?」


「うん。だから悠斗も約束して?私以外にこんな事しないって」


「もちろんだよ。俺、理央以外に欲情しないから」


 欲情という聞きなれない言葉に目を開く理央に、悠斗はクスクスと笑う。


「理央を美術室で初めて見たときから、俺は理央を好きになった。あれから、理央を妹として見たことは一度だってない」


 悠斗は理央の手を取ると、自分の頬に押し当てた。


「だから理央は、何も心配しなくていいんだよ。俺の目にはもう、理央しかうつらないんだから…」


 そして、理央の細い指先にキスを落とす。


「悠斗…」


「理央…好きだよ。理央にもっと触れたい…。触ってもいい?」


 どこまでも甘く優しい口調で囁かれる。


「大事にするから…」


 熱く、愛しむような眼差しで見つめられた理央は、恥じらいながらコクンと頷く。


 深い口づけを交わしながら、悠斗は片手で理央のパジャマのボタンに手をかけた。


 慎重な手つきで一番上のボタンを外された時、悠斗が理央の鎖骨の辺りに寄りかかるように顔をつけてくる。


「悠斗…?」


 そのまま、悠斗は動かなくなって、指はパジャマの第二ボタンの上で止まってしまっていた。


「どうしたの?」


 何かおかしいと思った理央は、悠斗の肩を押して、その表情を覗き込んで見る。


「もしかして…寝てるの?」


 悠斗は理央の胸の上で目を閉じたまま、穏やかな寝息をたてていた。


「悠斗…実はずっと眠かったのかな?」


 理央は、時差ボケの時の悠斗を思い出してプッと笑った。


「悠斗、時差ボケの次は、お酒だね…」


 理央のひとり言にも、悠斗は全く目覚める様子はない。


 理央は悠斗の身体をゆっくりとベッドの上に寝かせた。

 既に緩んでいたネクタイを全て解き、サイドテーブルに置くと、悠斗の寝顔を覗き込むように一緒に横になる。


 ランプの明かりで、悠斗の顔にまつ毛の影が伸びている。


「悠斗…おやすみ。お疲れ様…」


 理央は悠斗の唇にチュッとキスを落とすと、悠斗の胸に頬を寄せ、そっと目を閉じた_____











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