完璧御曹司の溺愛
ゆっくり目を開けると、視界が目一杯白い。
少しだけ顔を上げると、はだけたシャツの隙間から、美しい形の鎖骨が見えた。
悠斗の身体は横向きになり、その腕はいつの間にか、理央を抱きしめる形になっている。
鎖骨から喉仏を通り、悠斗の顔に視線をうつす。
悠斗はまだ、穏やかに眠っていた。
部屋の中は薄暗いが、カーテンの隙間からは朝の光が差し込んできている。
悠斗の胸がすぐ目の前で、緩やかに上下するのと共に、規則正しい息遣いが耳まで届いてくる。
温かくて、すぐ間近で悠斗の匂いがして、とても静かで優しい、幸せな朝。
理央は、このままベッドの上で、ずっとこうしていられたらいいのに…と、思う。
夢の中の私と悠斗は結婚して、二人だけで暮らしていた。
夜は、悠斗に優しく抱きしめられながら眠って、朝は、私が悠斗よりも先に起きて、悠斗の無防備な愛しい寝顔を、時間が許す限り眺めて…。
こんなに満ち足りた幸せな日々が、当たり前に約束される。
理央は、夢の中の自分が羨ましくてたまらなくなる。