完璧御曹司の溺愛

　

「理央、おいで」


　悠斗は理央の腕を引き、身体を引き寄せた。


　悠斗の胸に手をついて、悠斗を上から見下ろすような格好になる。


「理央と同じベッドで朝を迎えられるなんて、今、最高に幸せだよ」と、頬にチュッとキスをされた。


「ずっと、こうしていたい…」


「悠斗、私もね、さっき同じ事考えていたんだよ？悠斗と一日中、こうしていられたらなって…」


　悠斗の額にコツンと額をぶつけた。


「本当に？嬉しいな…」


　その気持ちを表すかのように、悠斗がキスをくれた。　　　　　


　けれど、軽いキス一つじゃ物足りなくなったように、濃密なキスに変わっていく。

　同時に、悠斗の手が優しく背中を擦ってくる。

　昨夜も感じた、ウズウズとした感覚が理央の神経を刺激し始め、身体が勝手に震えだす。

　悠斗にまた、そんなふうにされると、全身から力が抜けていってしまう。


「……っ…悠斗……」


「……ん？」


「…駄目だよ…もう、朝なのにっ……」


「…朝も夜も関係なく…俺は理央に……キスしたいよ…？」


　キスの合間に、悠斗はこんな事を言う。

　顔を真っ赤にする理央の反応を堪能するように楽しんだ悠斗は、一度、唇を離す。


「……理央は違った？」


「ズルい…、そんなふうに言うなんて…違うわけないのにっ……」


「じゃあ、理央からのキスが欲しいな？」


　自分の胸元に降りてくる理央の髪を、耳にかけてあげながら、悠斗は理央にキスをねだる。

　理央は自分から悠斗に唇を重ねた。


「…んっ」


　けれど、キスに不慣れな理央は、悠斗がしてくれるような上手なキスができない。

　それでも、悠斗に同じ想いを伝えたくて、羞恥に染まりながらも必死に唇を押し付けた。


「…っ、理央、可愛いすぎ…」


　理央のそんな姿勢が逆に悠斗の心に火をつけてしまう。

　悠斗は素早く身体を反転させて、自分の胸元にいた理央を、シーツの上に組み敷いた。


　天井ごしに、悠斗の端正な顔が現れて、ドキリと胸が鳴る。

　その顔は、真剣に理央を求めていた。


｢悠斗…｣


「………っ」


　けれど、悠斗はすぐに顔を伏せて、またもや理央の胸の上に倒れてしまった。


「悠斗……？」


　また、寝ちゃったの？

　そう問いかける前に、悠斗が弱々しく口を開く。



「…頭…痛すぎて、割れそう……」






　悠斗は酷い二日酔いで、今日は学校を休むことになった＿＿＿＿