完璧御曹司の溺愛


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「り、理央ちゃん!危ないよ!」


 気がつくと、理央の目の前に自動販売機が迫っていた。

 危うく、ぶつかりそうになる理央の腕を、遠矢は慌ててひいてくれる。


「大丈夫?さっきから何かボーッとしてない?」


「ご、ごめんなさい!平気です」


 理央は遠矢と二人で、園内を歩いていた。

 さっきから耳鳴りと頭痛がなりやまなくて、理央は何度も立ちくらみを起こしかけていた。

 アトラクションに乗ってなくても、人の多さに酔ってしまいそうだ。


「それにしても意外だったなぁ。君が僕と二人で抜ける事に同意してくれるなんて」


「え、そうですか?」


「だって、君は絶対に悠斗から離れないと思ってた。あの遥って子が悠斗に気があるのは丸わかりだし。分かってる?僕と君が二人でいるって事は、あの二人も当然、二人きりなんだよ?」


「はい、そうですね」


 理央が即答で頷いた事に、さすがに遠矢も動揺したようだ。


「な、何かあったの?もしかして悠斗と喧嘩でもした?」


「違います」


「じゃあ、理央ちゃん、本当に悠斗から僕に乗り換えるつもり!?」


 目を輝かせて距離を詰められ、理央は戸惑いながらも、しっかり否定する。


「それだけはないです」


「……だけはないって、はぁ、冷たいなぁ。相変わらず傷つく…」


 遠矢は、ガッカリした様子で理央を見つめる。



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