完璧御曹司の溺愛


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悠斗side



 その頃、悠斗は遥と園内に併設されているカフェに来ていた。


 遥の方から休憩したいと言われ、自分も遥と二人きりで話したいと思っていた悠斗は、断る理由もなく遥に案内されて訪れていた。

 店内は外の騒音が嘘のように、お洒落で落ち着いた、バーのような雰囲気のカフェだった。


「先輩、今日はとっても楽しいです」


 カウンターで悠斗の隣に座る遥は、男なら誰でも魅了されてしまいそうな極上の笑顔で微笑んだ。


「俺も楽しいよ」と悠斗も同じような微笑みで返すと「本当ですか?」と、遥は手の平を胸の前で合わせ、弾むように喜んだ。


「私、実は先輩とずっと、二人きりになりたくて…」


 遥は悠斗にさり気なく身体を寄せてくる。

 甘い花の香りが悠斗の鼻腔をくすぐった。


「奇遇だね。実は俺もなんだけど…」


「えっ」と遥は期待するように頬を染め、テーブルの上の悠斗の腕に自分の手をそっと重ねた。

 悠斗が嫌がらないのを知ると、そのまま手の甲まで移動させてくる。

 ウエイターが、テーブルに二人分のコースターとドリンクを置いても、遥はその手を動かそうとはしない。


「私、本気にしちゃってもいいんですか?先輩も少しは私に好意を抱いてくれてるって。それなら私、すごく嬉しい…」


 目を潤ませた遥は、上目遣いで悠斗を見つめる。


「先輩が理央さんを好きな事は知ってました。でも、理央さんはさっき、遠矢君と二人で行っちゃったから」


「そうだね」


「理央さんって、確か前は裕太とも付き合ってたみたいですけど、もう乗り換えちゃったのかな?おとなしそうな顔して、裏では男の人と結構遊んでるタイプなのかも…」


 遥は「ん〜?」と考えるような仕草をした後、すぐに嬉しそうな笑みをこぼす。


「ねぇ、先輩…?そんな子はやめて、これからは私にしませんか?先輩みたいな人が誰かに片思いなんて、もったいないですよ。私なら先輩の事だけをずっと想い続ける自信があります」


 いつの間にか悠斗の指の間に、遥の細い指が重ねられていた。


「私、先輩の事、好きです」


 遥は瑞々しい唇を、少しずつ悠斗の顔に寄せてくる。

 強い花の香りに酔ってしまいそうなくらい、悠斗は自分の頭がクラリとするのを感じた。


「少しでも私に好意を持ってくれてるなら、このままでいて下さい」


 そして、艶のある声で誘惑するように囁くと、悠斗に口づけを迫った_____






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