完璧御曹司の溺愛

純愛



 ______真っ暗な意識の底から、理央はやっと目を覚ました。


 掠れた視界の中に見慣れない天井がうつる。


 ここって…?

 いつもの自分の部屋でも、三春ちゃんがいる保健室でもなさそう…


 もしかして、病院?


 幼い頃、こうして病院で目を覚ました事が何度かあった。

 お母さんが安心したように私の顔を覗き込んでいて、私はその事にホッとして、すぐに泣いちゃうんだ…


「お母さん…、ごめんね…」


「理央、謝らなくていいの…」


 だって、お母さんも泣いてるから…


「理央が無事に目を覚ましてくれて良かった…」


 私はお母さんを一人にしないよ…

 お父さんみたいに、いなくなったりしないから…



 いつか、大切な人を守れるように



 私、強くなるから____












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