完璧御曹司の溺愛
「それに万が一、理央が他の男にぶつかりでもしたら、俺の気が狂いそう。本当は家のテラスで理央の可愛い姿を一人占めしたかったのに…」
「ゆ、悠斗…」
「理央の体調が心配なのはもちろんだけど、それ以外の理由もちゃんとあるんだよ。今夜の理央はいつもよりも更に魅力的で可愛いから、俺をこれ以上嫉妬させないで?」
理央の髪を飾る、小さなかんざしに触れながら、悠斗は柔らかく笑った。
「ゆ、悠斗もその…すごくカッコイイよ…」
悠斗も今夜は浴衣だった。
涼子が理央と悠斗の二人分の浴衣を用意してくれたからだ。
悠斗は出かける直前まで遠慮していたが、涼子がどうしても着て欲しいと譲らなくて、結局渋々着せられていた。
「そう?浴衣は初めて着たけど、やっぱり落ち着かないな…」
悠斗はそう言って、浴衣の袖を気にしている。
理央はそんな悠斗の姿に見惚れてしまっていた。
すごく、似合ってる…
悠斗は元々高身長でスタイルも抜群にいい。
何もかも平凡な私が隣を歩くのは、なんだか申し訳ないくらいだ。