完璧御曹司の溺愛


「ゆ、悠斗…」


「俺にこうされるのは好き?」


 悠斗に抱きしめられながら、理央は悠斗の胸の中でコクンと頷いた。

 慣れる事を知らないように、毎回、頬を染め上げる理央の初々しい反応に、胸がギュッと締め付けられる。

 一生、自分の腕の中に閉じ込めて、飽きるほど愛を囁いて、困らせてやりたいとさえ思う。

 また意地悪だって言われても、離してなんかやれない。

 無自覚に俺を煽り続ける理央が、可愛すぎるのがいけないんだから___



___悠斗の薄い浴衣ごしに悠斗の体温が伝わってくる。

 厚い胸板や、形のいい鎖骨や、喉仏の形も分かるくらい近い。

 理央はドキドキと自分の体温が上がっていくのを感じていた。


「じゃあ、あの花火にこれ以上目がいかないように、理央の唇を塞いでもいい?」


 息をかけられるように、甘く耳元で囁かれた。

 艶めかしい悠斗の色気にやられた理央は、耐えられないようにギュッと目を閉じた。

 その隙に、額や、頬にキスを落とされ、最終的に悠斗の唇は、理央の唇と重なる。

 チュッと唇を触れあわせるキスを数回。 

 柔らかい悠斗の唇の感触が何だか懐かしい気がして、理央の胸はキュンとはじけた。


 本当に私、悠斗の側にずっといてもいいんだ…


 その事実が嬉しくて嬉しくて、また涙がこぼれそうになる。


「ねぇ、理央…?」


 唇を離した悠斗は、顔を近付けたまま、理央に問いかけた。


「あの時の返事、考えてくれた?」


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