完璧御曹司の溺愛


「平気。私、風邪は何年もひいてないの」


「説得力ないな…」


「本当だよ?だから、大丈夫だよ!」


「それって、何年も病気の人に接触してなかったって事だよね?身体の中に免疫力が少ししか残されてないから、病気をうつされると他の人よりも危険って事になると思う」


 確かに、理央は長年、人混みをなるべく避ける生活を送ってきた。

 持病の目眩の発症を最小限に抑える為に。


 理央が黙っていると、悠斗は気遣うように声をかけてくる。


「ごめんね、正論言って。でも、本当に何もしてくれなくていいから。理央はいつも通りに過ごしていて?」


「悠斗…、じゃあ、ご飯だけでも食べて……」


「ありがとう。気持ちは嬉しいけど、今は何も食べたくないんだ……」



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