完璧御曹司の溺愛
夕方……
理央はそっと、悠斗の部屋に足を踏み入れていた。
悠斗のベッドの側まで行き、その顔を覗き込む。
「悠斗……」
悠斗はベッドで眠っていた。
「…ハァ……」と荒い息を吐き出す悠斗。
熱にうかされて苦しそうに呼吸をしていて、額には汗が粒になっていた。
悠斗、すごく辛そう。
何か、悪い夢でも見ているのかな…?
酷く、うなされてる。
「……っ……はぁ…」
私に出来る事を、何かしてあげたい。
額の汗を拭き取り、冷たいタオルを乗せても、悠斗は夢から覚めなかった。
ベッドの側で膝をついて、悠斗の熱い手を握った。
「悠斗…早く元気になって?私にうつしてくれていいから…」
理央はそのまま、悠斗の手を額に寄せて、祈るように呟いた……。