完璧御曹司の溺愛
「好き」の自覚
「理央、おはよっ!」
「あ、咲ちゃん、おはよう」
次の日、校門をくぐると、理央は咲に声をかけられた。
「どうだい?あの謎は解けたかい?」と、咲はさっそく、ニヤニヤと表情を緩ませ、聞いてくる。
「謎?謎って?」
咲は、理央の耳元に顔を寄せた。
「もっちろん、瀬戸先輩が理央を気にかける理由だけどぉ?」
瞬時に、昨夜の出来事を思い出してしまった理央は、カッと頬を染めた。
「……っ」
「あっれぇ?その反応、怪しいなぁ!さては何かあったな…?」
咲ちゃんの、何かあったセンサーは相変わらず鋭すぎ…。
「ほらほらほら、教えなさいよね!」
「実はね、咲ちゃん。私も、昨日知ったんだけど…」
「うん、うん」
「うちのお母さん、近々再婚するんだけどね、その相手の人って、瀬戸先輩のお父さんだったの…」
「えぇっ!マッジ!?」
咲が驚きに目を見開く。
「そ、それじゃあっ、瀬戸先輩と理央は、きょっ、兄妹になるの!?」
咲の口を、理央は慌てて塞いだ。
「さ、咲ちゃん…!正式にはまだ再婚してないから、この事は誰にも言っちゃ駄目だよ!」
モゴモゴと口を動かしながら「わ、分かりました……」と、咲は頷く。