完璧御曹司の溺愛
 


「裕太、何言ってるの?」


「そのままの意味だけど?」


「…手、離してよ……」


「やだ…。だってお前、俺を信じてないだろ?」


「し、信じるわけないよっ…!もう、裕太なんか信じられない!」


 俺を見つめる理央の目には、はっきりと不信感が現れていた。

 理央が本気で傷ついて、怒っているのが分かって、今になって胸が痛み出す。


 
 俺が後戻りの出来ない深いところまで、理央を傷つけてしまった_____



 裕太の手が緩んだ隙に、理央は腕を払い、黙ってカーテンの奥に姿を消してしまう。




「はぁ…」


 今更、遅すぎるよな…。



 裕太の後悔は、深いため息となって、保健室の白い天井へと、消えていった_____





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