完璧御曹司の溺愛
「ところで理央、話って?」と、悠斗は理央に向き合った。
さすがに、涼子の目の前で、悠斗に想いを告白する訳にいかない。
理央は「ううん、いいの。大したことじゃないから」と首を振った。
悠斗が一瞬、腑に落ちないような顔をした時「そうだ、悠斗君」と涼子が口を開く。
「良かったらうちで、お夕飯食べて行かない?」
「え、夕食をですか?」
「えぇ。おうちには私の方から、連絡を入れておくから」
「でも、いいんですか?今日は父もいないのに…」
悠斗の困惑を目にして、涼子はクスクスと笑う。
「あら、まるで秀和さんがいないと駄目みたいな言い方ね?母が息子に、食事を勧めるのはいけない事かしら?」
「涼子さん…」
「私はこれでも、悠斗君を本当の息子のように思っているのよ」
涼子にそこまで言われれば、悠斗に断る理由はない。
遠慮がちに、悠斗は笑みをこぼした。
「じゃあ、お言葉に甘えます」