完璧御曹司の溺愛
「後悔なんてしない…。する訳がない。悠斗と一緒に居られるなら、地獄だって構わない…」
これが理央の、心からの気持ちだった…。
「理央…」
「でも、出来れば私、悠斗を幸せにしてあげたい。地獄じゃなくてこの世界で、死ぬまで一緒にいたい……」
プロポーズのようなセリフになってしまった。
理央を抱きしめたまま、悠斗は絶句する。
今更ながら恥ずかしさが芽生えてきて、顔がりんごのように赤くなるのが、自分でも分かった。
「ゆ、悠斗…い、今のっ…わ、忘れてっ?」
思わず両手で顔を隠した。
このまま、この部屋から逃げ出してしまいたい。
夜風にあたって、一度、頭を冷やしたい。
「理央、顔見せて?」
それなのに、悠斗はこんな事を言う。
顔を隠す理央の手を握って、その指をそっと剥がそうとする。
「ゆ、悠斗…やっ、離してっ!」
「やだ。絶対に離さない」
そう言われて、強引に手首を取られてしまった。
「やっと、手に入れたんだ。絶対に離すものか…!」
「ゆ、悠斗…」
悠斗も少しだけ、頬が赤い。
いつも余裕たっぷりの悠斗も、この時だけは自分と同じくらい余裕がないのだと分かり、胸の底から愛しさがこみ上がる。
悠斗はゆっくり息を吐くと、もう一度、理央を胸に引き寄せる。