未来の約束と過去の願い
ショッピングモールで有意義な時間を過ごすことができた二人は、夜の初め頃に帰りの電車に乗った。
遊び疲れた二人は、電車に揺られてうとうとしている。
「…楽しかったな。」
「プリクラまで進化していたなんて…」
「はは、まだ言ってる。」
行きより落ち着いた二人の会話は、満足したことが読み取れるようだった。
「また、どこか行こう。」
「そうだ、陣はゴールデンウィークはどこかに行くのか?」
「あぁ、北海道の方に行く。」
「北海道!家族旅行か?」
「いや、一人で行くよ。母さんたちも北海道は何度も行ってるから別のところに行くだろうし、それに…沖縄から帰ってきたばかりだから。」
「…陣の家って、金持ちだよな。」
「そんなことないよ。旅行とか、出かけることが好きなだけ。」
「陣の行動力にびっくりだ。でも、その行動力もお母さんとお父さん譲りなのかもな!」
宗弥は、うんうんと自分に共感しながら、少しからかうように言った。
「まあ、そうかも?」
「北海道だからー、海鮮とか食べてくるのか?」
「それも考えてはいるけど、メインは時計台なんだ。」
「時計台?」
「北海道に時計台があるんだけど、見てみたくてさ。この前、通っている本屋で本を貰ったんだけど、それが100年前の本だったんだ。その本に、北海道の時計台が描いてあったんだ。」
「100年前…!?そんなに前の本!?」
宗弥は驚きのあまり目を大きく開いた。
「そう。大正時代…だったな。」
「すごい本じゃん…。今度俺も見てみたい!」
「勿論。」
普段あまり本に興味を示さない宗弥に、見てみたいと言って貰えてとても嬉しく即答で返事をした。
俺が本を好きになったきっかけも、こんな感じだったな。
初めはやっぱり少年漫画が好きで、小学生の少ないお小遣いで週間少年漫画を買っては読んでいた。
漫画は絵が描かれていて、やはり戦闘シーンや対話シーンも臨場感があり、物語に深く入れるのだ。
ただ、今では小説の方が好きになった。勿論、漫画も好きだけれど。
それには、先程の宗弥のようなきっかけがあったのだ。
遊び疲れた二人は、電車に揺られてうとうとしている。
「…楽しかったな。」
「プリクラまで進化していたなんて…」
「はは、まだ言ってる。」
行きより落ち着いた二人の会話は、満足したことが読み取れるようだった。
「また、どこか行こう。」
「そうだ、陣はゴールデンウィークはどこかに行くのか?」
「あぁ、北海道の方に行く。」
「北海道!家族旅行か?」
「いや、一人で行くよ。母さんたちも北海道は何度も行ってるから別のところに行くだろうし、それに…沖縄から帰ってきたばかりだから。」
「…陣の家って、金持ちだよな。」
「そんなことないよ。旅行とか、出かけることが好きなだけ。」
「陣の行動力にびっくりだ。でも、その行動力もお母さんとお父さん譲りなのかもな!」
宗弥は、うんうんと自分に共感しながら、少しからかうように言った。
「まあ、そうかも?」
「北海道だからー、海鮮とか食べてくるのか?」
「それも考えてはいるけど、メインは時計台なんだ。」
「時計台?」
「北海道に時計台があるんだけど、見てみたくてさ。この前、通っている本屋で本を貰ったんだけど、それが100年前の本だったんだ。その本に、北海道の時計台が描いてあったんだ。」
「100年前…!?そんなに前の本!?」
宗弥は驚きのあまり目を大きく開いた。
「そう。大正時代…だったな。」
「すごい本じゃん…。今度俺も見てみたい!」
「勿論。」
普段あまり本に興味を示さない宗弥に、見てみたいと言って貰えてとても嬉しく即答で返事をした。
俺が本を好きになったきっかけも、こんな感じだったな。
初めはやっぱり少年漫画が好きで、小学生の少ないお小遣いで週間少年漫画を買っては読んでいた。
漫画は絵が描かれていて、やはり戦闘シーンや対話シーンも臨場感があり、物語に深く入れるのだ。
ただ、今では小説の方が好きになった。勿論、漫画も好きだけれど。
それには、先程の宗弥のようなきっかけがあったのだ。