未来の約束と過去の願い
家に着いて、手を洗ってからベッドに身を投げる。
仰向けになって、買った本を開いてみると、それはやはり読みづらい文だった。
「昔の言葉っていうか…読みづらいな」
日本語だからなんとなく読めるが、少し分かりづらい。
適当にパラパラとページを捲ってみると、絵が描かれているページを見つけた。
「これは、時計塔の絵?」
そこには、大きな時計塔の絵が描かれていた。
絵の隣のページを読んでみると、時計塔の説明らしきものが書いてある。
「1881年…。昭和14年か?この年の8月12日に動き始めた時計塔なのか」
随分と昔の時計塔なんだな。
この時計塔は今でも残っているのだろうか。
そう思い立った俺は、調べてみることにした。


すぐに手元にあったスマホを開き、調べ始める。
"1881年 時計塔"
そう検索をかけてみると、北海道の札幌市にある時計塔が出てきた。
「へえ、日本最古の時計塔なのか」
そんな昔から時を刻み続けてきたなんて、立派な時計塔だ。
本に描かれている時計塔と、検索で出てきた写真を比べてもそっくりだ。多分、同一の物なのだろう。

北海道か…少し遠いが、行って見てみたい気持ちもあるな。
そうだ、来月にゴールデンウィークがあるな、その時に行ってみようか。
北海道であれば、時計塔を見終えた後も楽しめそうだ。
「よし、気分転換も兼ねて行こうかな」
といっても、自分はまだ高校生なので両親に相談しなくてはならない。
「帰ってきたら相談してみるか」
そう言って、他にも北海道のおすすめスポットなどを調べ始めた。
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