未来の約束と過去の願い
計画を立て終えて、メモをした紙を見通す。
「よし、大体こんなものか。」
計画…というか、タイムスケジュールは主にこうだ。

『仙台空港から新千歳空港⇢9:25〜10:20
 新千歳空港駅から札幌駅⇢10:29〜11:07
 札幌駅から時計台⇢徒歩11分』

電車で行こうと考えていたが、甘く見すぎた。俺が住んでいるここ、宮城から北海道までは530キロ以上も距離があることを知らなかった。遠いだろうなとは思っていたが、まさかこんなにも遠いとは。
まあ、仙台から新千歳までいけるなら大丈夫か。
時計塔に寄ってから、その後の予定は考えよう。
…とりあえず、タイムスケジュールは考えられたしゴールデンウィークまで待つのみだな。
俺はパソコンを閉じて、一息吐く。
「それまで、学校も頑張らないとな」

俺は学校が嫌いだ。苦手とは少し違う、嫌いなんだ。
"学校"という場が、自分には合っていないと常々思う。
友達が居ないわけでもないし、勉強が全く出来ないわけでもない。
それでも、どうしてか学校という場が自分に合わないのだ。
理由は?と聞かれると特には思いつかない。…いや、ありすぎて分からないが正しいか。
いつも、同じクラスの人たちは、どんな風に乗り越えているんだろうと考える。
それに今、学校生活がまともに送ることが出来なくては、将来社会人になったときにどうするんだろうと将来を見据えては絶望する。
「はあ…」
大人が見る社会も、お金の使い方も、何も分からない。
未来の自分が全く見えない。

ネガティブな思考がぐるぐると脳内を回る。
その時だった。
「_陣ー、お友達が来たわよ!」
遠くから母さんの声が聞こえる。
「分かった。」
分かったと言ったが、お友達が来た…?俺の…?
友達は居るが家に来るなんて滅多にない。何事だ。
俺は少し上がる心拍数を無視して、急いで階段を駆け下りて玄関に向かった。
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