No YOU No Life
「陽菜ぁ、文化祭一緒に回ろーよ」

登校するなり琴葉に泣きつかれ私は驚く。

「酒田くんは?」

酒田くん、というのは隣のクラスのサッカー部の琴葉の彼氏だ。

「サッカー部で回りたいから無理って!!
酷くない!?」

朝から大荒れの琴葉を慰めつつ、私は昨日のことを思い出していた。

「日曜なら回れるよ」

「土曜は?」

「…」

「分かった、冠城でしょ!」

「…」

「違うの?」

黙りこくる私に琴葉も何かを察したようで耳を寄せてくる。

「実は…」

私はざっくりと土曜日瀬賀那津と回ることになった経緯を話した。
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