No YOU No Life
「えーー!!!」
琴葉が驚いて大声を出すと、教室の端にいた真斗もこちらを振り返る。
あわてて私は琴葉の口を塞いで手を引いて教室を出た。
「ちょっと!!いつの間にそんな進展してたのよ!!」
琴葉の頬が興奮で上気していた。
「たまたま帰りに会ったりとか、真斗応援しに行った試合で会ったりとか…」
「たまたま!?たまたまでそんな会うわけないし、それに!文化祭回りたいって!?」
依然として興奮しっぱなしの琴葉はもう止められない。
私は琴葉を落ち着けようとするのを諦めた。
「絶対陽菜のこと好きじゃん!気あるよ!脈アリだよ!!」
「いや、違うでしょ」
「違くない!絶対そう!
恋愛マスターのこの私が言ってるんだよ?
あの不落の酒田をオトした私だよ!?」
不落の酒田…。思わず笑ってしまいそうになるあだ名だが、実際そうなのだ。
酒田くんはスポーツ万能でおまけにイケメン、それもそんじょそこらにゴロゴロいるような雰囲気だけのイケメンではなく、真のイケメンである。彼が不落の酒田と呼ばれる所以は、中学時代クラスの女子全員に告られて全員を振ったという伝説から来ている。
「冠城は?その事知ってるの?」
私が首を横に振ると、琴葉は悲鳴をあげる。
「早く冠城にしらせなきゃ!!」
さっさと教室に戻ろうとする琴葉の手を慌てて掴む。
「それはだめ」
「なんで?」
「真斗きっと瀬賀那津に負けたことすごい気にしてると思うの。いちばん私が味方してあげなきゃいけないのに文化祭一緒に回るなんて言ったら裏切られたって思っちゃいそうだから…」
言っていてだんだん罪悪感が増してきた。
「そっかっ」
琴葉の声は軽かった。
「冠城には悪いけど内緒にしといてあげよう」
琴葉の髪が窓から入ってきた風になびく。
彼女はうっとおしそうにそれを払い除けて、こちらに笑顔を向けた。
「じゃあ土曜日私一人だから冠城がぼっちで哀れだったら回ってあげようかなあ」
琴葉につられこちらも笑顔になる。
「酒田くんにヤキモチ妬かせちゃえー」
琴葉が驚いて大声を出すと、教室の端にいた真斗もこちらを振り返る。
あわてて私は琴葉の口を塞いで手を引いて教室を出た。
「ちょっと!!いつの間にそんな進展してたのよ!!」
琴葉の頬が興奮で上気していた。
「たまたま帰りに会ったりとか、真斗応援しに行った試合で会ったりとか…」
「たまたま!?たまたまでそんな会うわけないし、それに!文化祭回りたいって!?」
依然として興奮しっぱなしの琴葉はもう止められない。
私は琴葉を落ち着けようとするのを諦めた。
「絶対陽菜のこと好きじゃん!気あるよ!脈アリだよ!!」
「いや、違うでしょ」
「違くない!絶対そう!
恋愛マスターのこの私が言ってるんだよ?
あの不落の酒田をオトした私だよ!?」
不落の酒田…。思わず笑ってしまいそうになるあだ名だが、実際そうなのだ。
酒田くんはスポーツ万能でおまけにイケメン、それもそんじょそこらにゴロゴロいるような雰囲気だけのイケメンではなく、真のイケメンである。彼が不落の酒田と呼ばれる所以は、中学時代クラスの女子全員に告られて全員を振ったという伝説から来ている。
「冠城は?その事知ってるの?」
私が首を横に振ると、琴葉は悲鳴をあげる。
「早く冠城にしらせなきゃ!!」
さっさと教室に戻ろうとする琴葉の手を慌てて掴む。
「それはだめ」
「なんで?」
「真斗きっと瀬賀那津に負けたことすごい気にしてると思うの。いちばん私が味方してあげなきゃいけないのに文化祭一緒に回るなんて言ったら裏切られたって思っちゃいそうだから…」
言っていてだんだん罪悪感が増してきた。
「そっかっ」
琴葉の声は軽かった。
「冠城には悪いけど内緒にしといてあげよう」
琴葉の髪が窓から入ってきた風になびく。
彼女はうっとおしそうにそれを払い除けて、こちらに笑顔を向けた。
「じゃあ土曜日私一人だから冠城がぼっちで哀れだったら回ってあげようかなあ」
琴葉につられこちらも笑顔になる。
「酒田くんにヤキモチ妬かせちゃえー」