No YOU No Life
その時だった。
「陽菜?」
聞き馴染みのある声がした。
まずい。今瀬賀那津と一緒にいるところを見られたら、真斗に合わせる顔が無い。
気がつくと私は瀬賀の袖を引っ掴んで全速力で走り出していた。頭は真っ白で、何も考えられなくて。
ただ、人間ピンチの時にはカジバの馬鹿力というか、こんなに体力のない私でも走れるんだなーと妙に冷静な自分もいた。
「陽菜!ちょっとどこまで行くの!」
しばらく走ったあと、瀬賀に声をかけられ、はっとした。
「ご、ごめん…!」
パッと手を離すとぎゅうっと掴んだままだった瀬賀の服の袖が少し伸びている。
「真斗に、瀬賀といるところ見られたくなくて…」
言ってしまった後にめちゃくちゃ語弊がある言い方をしてしまったと気づき焦る。
「えっと、そうじゃなくて…」
説明しないといけないのに走ったせいで息が切れていて、頭に十分な酸素も回っていない。
「とりあえずここ隠れて息整えたら?」
幸か不幸か、体育倉庫の鍵があいていた。
「陽菜?」
聞き馴染みのある声がした。
まずい。今瀬賀那津と一緒にいるところを見られたら、真斗に合わせる顔が無い。
気がつくと私は瀬賀の袖を引っ掴んで全速力で走り出していた。頭は真っ白で、何も考えられなくて。
ただ、人間ピンチの時にはカジバの馬鹿力というか、こんなに体力のない私でも走れるんだなーと妙に冷静な自分もいた。
「陽菜!ちょっとどこまで行くの!」
しばらく走ったあと、瀬賀に声をかけられ、はっとした。
「ご、ごめん…!」
パッと手を離すとぎゅうっと掴んだままだった瀬賀の服の袖が少し伸びている。
「真斗に、瀬賀といるところ見られたくなくて…」
言ってしまった後にめちゃくちゃ語弊がある言い方をしてしまったと気づき焦る。
「えっと、そうじゃなくて…」
説明しないといけないのに走ったせいで息が切れていて、頭に十分な酸素も回っていない。
「とりあえずここ隠れて息整えたら?」
幸か不幸か、体育倉庫の鍵があいていた。