No YOU No Life
「ねえ。」

ある日カーテンの外側から声をかけられた。

シルエットがカーテンにうつっている。
自分と同じくらいの背丈らしかった。

「私、同じ病室のセセラギユタカっておじいちゃんの孫なんだけど」

ああ、たまに聞こえてくる。笑い声の。

「君。セガ…ナツくん?小6なの?」

「そう、だけど。」

「私と同じ!ね、カーテン開けていい?」

「え?」

返事をする前にカーテンが少しあいて、そこから少女が顔をのぞかせた。

「はじめまして。セセラギヒナです。せせらぎは、和風の和に流れるって書きます。陽菜は太陽の陽に菜っ葉の菜。よろしく」

それが出会いだった。
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