No YOU No Life

試合

「陽菜ちゃん、毎回応援来てくれてありがとねー!もう正直、来るのめんどくさいって思ってるんじゃない?」

おばさん―真斗のお母さんが、私にペットボトルのお茶をくれた。

今日応援に来れたのは、私とおばさんだけで、私の両親と真斗のお父さんは仕事で来れないとか。

お礼を言って受け取りながら私は言う。

「真斗にはいっぱい助けて貰ってるから、真斗が本気で頑張ってるとこは見ててあげたいんです」

おばさんはまあ、と小さく呟いて

「陽菜ちゃんみたいな子が真斗の彼女になってくれたらいいのに」

と漏らしたので、思わず私は苦笑する。

真斗とは幼稚園の頃くらいからずっと一緒にいた。

隣にいることが当たり前で、真斗はいつも私より少し前を歩いていく。

少し意地悪なことを言う時もあるが、基本的に彼はいつでも優しい。

私は真斗のことが大好きだ。

その気持ちに嘘はない。

でも恋愛感情ではない。
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