生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜

はじめてキレイだと思った。

こうも牡丹が似合う女がいるのかと。儚い姿を目に焼きつけたい。

強がっている様は、少しうらやましいとさえ……。

すべてをあきらめていた私も強がってみようか。

もしあがくことを覚えたら君に会う資格が出来るだろうか。

こんな伝言ではなく、私自身が会いに行きたい。

手のひらに付着した血を拭きとってしまうことさえ惜しい。

君が強がってでしか生きられないのなら、私がその手をとって支えよう。


「知っていますか? 牡丹という花は”花中の王”とも呼ぶんですよ。私にとって貴女は最上級の花であり、手の届かぬ存在でした」


手が届くようにと、私ははじめて生に執着を覚えた。

だが君が逝くというのなら、それもまた良いかもしれない。

もしまた巡り合えたら、二人で見つめ合って生きることに執着でもしようか。


「貴臣様を好いた私をお許しください。これからも、ずっと……」


愛されたい。

これからを願ってくれるのなら、何度でも花を贈ろう。

大輪の花を咲かせられるのは私だけだと……どうかまた、この手で触れられる日を。

< 11 / 27 >

この作品をシェア

pagetop