生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
しばらくするとまた開き、私を見つめてきます。

あまりに真っ直ぐな美しい眼差しに目が離せません。

以前にも同じように手に口づけをされたような……。

その瞬間、頭の中で透明だった記憶に色がついたのです。

「貴臣……様?」

あの方の名を呟いていました。

前世の記憶に涙が溢れ出します。

かつて偽りの笑顔を貼り続けた私に愛をくれた人。

ですが焦がれる気持ちに耳を塞ぎます。

貴臣様の手を振り払うとすぐさま走り出しました。

すぐに貴臣様に腕を掴まれてしまい、行く手を阻まれます。

私は目を反らすばかり。

彼の腕に抱かれた牡丹の花は私の鼻孔をくすぐりました。

「どうか……離してください」

声を出すだけでも震えが止まらず、大きな雫が目からこぼれ落ちそうになります。

「離すものか。やっと出会えたというのに……なぜ貴女は逃げようとするのですか?」

強引に腕を引き寄せられ、彼の両手が私の頬を包み込みます。

私の目は真っ赤に充血しています。

きっと彼の姿を見てしまったら涙が止まらないでしょう。

決して目を開かず、唇を噛み締めました。
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