生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
「廓は夢を見せる場所。別に貴方を愛していたからというわけではありませんよ」
もし、あの時と違うとすれば。
私はもう身を引き裂き、売ってはいないこと。
ですが愛に怯えるようになり、素直にはなれません。
勢いのまま思い切り貴臣様の頬を平手打ちします。
腫れた頬を見て、心はとめどなく傷つき、真っ暗になっていきます。
私は背を向けて、誰も見ることなくにっこりと笑いました。
「あの時の私は遊女でした。ですが今は違います。どこにでもいるただの女学生です。偽りの愛を述べる必要はありません」
「貴女はまたそうやって笑うのですね」
きっと真摯な眼差しは今も昔も変わらないでしょう。
あの眼差しに捉えられると指の付け根まで愛されているかのような感覚に陥ります。
百年前、私が愛した人。
きっと前世の記憶を思い出さなくても、私は貴臣様に恋をしたでしょう。
いとしくて、その言葉では足りないほどに狂おしい。
さめざめと泣くことが出来れば可愛げもあったでしょう。
どれだけ貴臣様に恋焦がれようとも、今の私には遠い存在です。
貴臣様に愛を伝えることも出来ない。
貴臣様が愛してくれた最上級の花はきっとどこにもいないから……。