生まれ変わって三度目の恋、今あなたに触れたい〜めぐり逢いて、この手が離れても何度でも〜
きっかけは彼と出会ってから半年ほど経ってのこと。

私の身体に異変が起こった時のことでございます。

色を売るここでは身体の不調は当たり前のこと。

廓が眠り、日が昇りだした時間帯に呼吸が苦しくなって外に出ました。

咳が止まらず、血の混じった痰を吐きます。

足元が崩れ落ちそうになったとき、大きくて暖かな手が私の肩を包み込みました。

袖で口元を隠し、顔を上げると彼がいました。

「あなたは秋月様の……」

彼は私の肩を抱いたまま、人気のない路地裏の小道まで歩いていきます。

陽の光の射さぬところへと身を隠しました。

引き裂かれそうな痛みから涙が止まりません。

声を上げまいと意地を張る私の背中を何度もさすって下さいました。
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